システムの世界にリポジトリというものがある。
各バージョンを自動的にバックアップすることらしい。Wordがクラッシュしたときに直前のデータが残っていたり、ウインドウズのアップデート履歴から過去のバージョンに戻る機能は、この類いなのだろう。
私は、この仕事をするようになった直後にこれを手動でするようになった。訴状01というファイル名からはじめる。このデ一タがクラッシュしたら怖いと感じた瞬間に、上書保存(Ctl+S)したうえ訴状02にする(F12)。また、別の展開がはじまったり・それまでの内容を大幅に変えることになりそうなときも同様だ。これを手動リポジトリと呼んでおこう。
タイプ作業以外でも同じことをする。前者に該当するものはないが、大きく方針を変える場合はそれまでの書類群を一つの袋に入れ、複製したものですすめる。
そのようにして、データー(作品)がなくなった場合に備えるバックアップをしている。いや.違うな。おそらくは、昔、長い間かけたWord文書がクラッシュして手痛い目にあったとか、後者作業を怠って方向転換した結果、元に戻る必要があったとき戻れなかったという手痛い経験があったからだろう。
そういうことだろうがこれは本質的ではないだろう。機械が自動的にバックアップしているとしても安心できず、能動的にこれをすることによってその不安感を払拭しているのだ。手動リポジトリは、自身が 「ここらで、いったん保存して安心しておこう」 という意識を持って、能動的に過去のバージョンを作成する。これは、単なるデータのバックアップというだけでなく、作業の区切り や 心の安定 にも繋がっている。また、 「へんな方向にいっても元に戻れる」 という安心感は、チャレンジ精神 を与え、新たなアイデアや表現に挑戦する勇気を与えてくれる。 "創造性を刺激するリポジトリ" だ。
手動リポジトリは、デジタルデータだけでなく、アナログな世界でも見られる。例えば、画家が絵を描く際に、途中で写真を撮ったり、スケッチを残したりするのも、一種の手動リポジトリと言える。
このように、手動リポジトリは、人間の "創造性" と深く結びついていると言える。
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